ピルと相性の悪い煙草、アイコスならいい?

経口避妊薬のピルを安全に使用するためには、いくつかの守らなくてはならないポイントがあります。
具体的には、毎日決まった時間に服用することや2時間以内に吐いてしまった場合は翌日の分をすぐに服用するなどです。
これは、十分に効果を得るためでもあり、用量・用法を守るということは全ての薬に共通しています。

一方、薬の中には他の薬やサプリメントと一緒に飲むと影響を及ぼすということで、厳密な規定が設定されているケースも少なくはありませんが、ピルの場合はそのような決まりはほとんどありません。
これは、下垂体に作用してLHとFSHの分泌を抑制するというピルの特殊な作用機序によるもので、ほとんどの薬やサプリメントの影響を受けることはないからです。

このために、ピルは多くの薬では禁忌とされているアルコールの摂取も特に問題はないとされています。
これは、血液循環が活性化しても影響を受けないためで、激しい運動も禁止されてはいません。
つまり、それだけ自由度の高い薬ということになります。

タバコを吸う女性ただし、何をしても良いというわけではなく、避けた方が無難とされていることもあります。
特に、相性が悪いのがお酒と並んで代表的な嗜好品であるタバコで、ガイドラインでは1日に15本以上タバコを吸う35歳以上の喫煙者はピルを使用してはいけないとしています。
これは、血栓症のリスクを167倍も高めてしまうからです。

なお、血栓症とは血が固まりやすくなる症状のことで、肺の動脈で血管が詰まる肺寒栓や心臓の動脈で血管が詰まる心筋梗塞などの血栓症を発症した場合は、命を落としてしまうことも起こり得ます。
元々の発症頻度は日本人では10万人に4人以下と多くはありませんが、遺伝や高血圧、肥満、喫煙などによりリスクを高めてしまいます。

なお、喫煙により血栓症のリスクを高めてしまう理由は、煙に含まれているニコチンと一酸化炭素という2種類の物質の作用によるものです。
具体的には、ニコチンによる血管を収縮させる作用と、一酸化炭素による血液中のヘモグロビンと結合することで酸素不足にするという作用により、血液の流れが著しく妨げられてしまい血管が詰まりやすい状態になってしまうのです。

ちなみに、35歳以上という年齢規定と15本以上という本数の規定はあくまでも目安に過ぎません。
一応は、10本程度であれば問題ないという考えもありますが、良質なエビデンスがあるわけではないので、基本的にはピルを服用する時にはタバコは避けた方が賢明です。

電子タバコも血管を収縮させるのか?ピルとの相性は

タバコの有害性については既に広く認知されており、喫煙者の割合は年々低下しています。
これは、度重なる値上げにより経済的な負担が大きくなったことや、駅のホームや病院などの公的な施設の大部分が終日禁煙を実施していることなども関係しています。

また、タバコの代わりとなるアイテムが次々に開発されたことも、喫煙者が減ったことに関係しています。
その中でも特に人気を集めているのが、電子タバコやアイコスなど新しいタイプのタバコです。
これらは、煙を出さないために非喫煙者に迷惑をかけることはありません。

なお、電子タバコとアイコスの煙を出さないという特徴は、使用する人の健康にとってもメリットがあります。
何故なら、煙の中に含まれている有害物質のタールや一酸化炭素を排出しないためです、つまり、電子タバコとアイコスは、タバコに付き物の肺がんリスクを高めるという心配がないということになります。

さらに、これらのアイテムが人気を集めているのは、ニコチンを配合したタイプの商品が提供されているということです。
このために、タバコからこれらに乗り換えても中毒症状に苦しむことはありません。

ただし、ニコチンを配合している電子タバコやアイコスは、タバコと同様にピルとの相性は良くありません。
それは、ニコチンの作用により血管が収縮してしまうからで、血栓症のリスクを高めてしまうからです。
このために、どうしてもこれらを使用したい場合は、ニコチンが配合されていない電子タバコを選択するなどの工夫が必要です。

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